クリス=ライトフェローは、父であるワイアット=ライトフェロー元騎士団長の娘で、美しさと強さを兼ね備えた凛々しい女騎士である。
並の男では敵わない剣の腕を持つため、後々は騎士団長となり、銀の乙女として騎士団員の尊敬を集める事になるのだが、まだ彼女が騎士になりたての頃は、同僚の男からは嫌われていた。
騎士団長の娘であり、実力もある騎士が女である事が、彼らにとっては許せなかったのだ。
男達は彼女に対してあらゆる嫌がらせを試みるが、彼女はそれを実力で見返してきた。
しかしただ一つだけ努力で覆せないものがあった。
生理である。
彼女が生理で体調を崩した時は、男達はここぞとばかりに罵倒し、彼女をこき下ろした。
男や女以前に、騎士としてプライドを持っているクリスには、女である事を原因に罵倒されるなど、耐えられない苦痛であった。
「私が男なら・・・生理さえこなければ、あんな連中に良いように言わせないのに・・・」
クリスは騎士団での任務の合間に、街の図書館で対策を調べた。
その結果、一つの対策を発見したのだ。
生理とは妊娠していない女性に訪れる物であり、妊娠している女性には生理は訪れない。
つまり、生理を止めるには妊娠してしまえば良いのだが、本当に妊娠してしまっては意味が無い。
そこで、擬似的に体が妊娠していると錯覚させる方法があるという。
その方法とは、キメラの卵を子宮に入れるのである。
キメラは合成獣であり、その中には人間の遺伝子も含まれている。
その卵が膣に入れば、子宮は妊娠していると判断するだろう。
ただ、入れっぱなしではキメラの子が育ってしまうので、数ヶ月に一度は卵を入れ変える必要が出てくる。
「・・・」
クリスは自分の処女と子宮、そして騎士としての誇りを天秤にかけた。
天秤は迷う事なく騎士の誇りに傾いた。
後日、北の洞窟でキメラを見かけたという情報が騎士団に入った。
その討伐にクリスが志願した。
男達は、クリスが大恥をかけば良いと考えていたため、誰も同行しようとしなかったが、それはクリスにとっても好都合だった。
そして北の洞窟へと向かった。
そして北の洞窟へたどり着いたクリスは、キメラと対決をした。
クリスの剣技にかかれば、キメラなど大した相手でもなく、あっさりと倒す事が出来た。
「産卵管は・・・」
キメラの死骸から産卵する為の細い管を探り当てた。
細いといっても、人間の女の腕くらいの太さがあるのだが。
「これね・・・」
クリスは産卵管を膣にあてがい、ゆっくりゆっくりと挿入していった。
産卵管が太い事を知っていたので、この日の為に毎晩膣拡張の訓練を行っていたクリスの膣は、それをなんとか受け入れる事が出来た。
「んっ・・・」
最後の押しを加え、子宮口を開いて、管の先を子宮内に入れる。
その状態のまま、クリスはキメラの腹をおさえて、卵を管に送り、管を絞るようにして、卵を子宮へと導いていく。
卵が移動すると、その感触がクリスに伝わり、思わず甘い声が零れる。
「あっ・・・」
そうして、卵が子宮に入っていく。
卵が入ってくる感触は、子宮からお腹全体へと広がっていく。
こうして、擬似妊娠に必要な卵を子宮におさめたクリスは産卵管を抜いた。
同時に子宮口が閉まるので、卵が零れてくる事は無かった。
産卵液や愛液は綺麗にふき取って、痕跡を残さないようにした。
腹筋に力をいれて抑えつけても、お腹が少し膨らんで見えるが、この程度なら鎧でごまかす事は容易だ。
「これで、男達にバカにはさせない・・・」
クリスは騎士団へと帰った。
しかし・・・
「よほほーい! 凄い物見てしまったよほほーい!」
北の洞窟に財宝を隠していた、鑑定士であるギョームという男が、この受卵行為の全てを、隠れてみていたのだ。
「脅しに使いたいネタだけど、僕も叩けばホコリが出るし、クリスさんに殺されるのも嫌だよほほーい。こっそり楽しむよほほーい!」
こうして、クリスが数ヶ月に1回、北の洞窟で産卵と受卵を繰り返す行為は、ギョームによって一部の人間が知る事となり、毎回見物客が集まった。
何もしらないのはクリスだけである。
おわり