エリスの率いる皇帝直属・第零近衛騎士団は女性のみで構成れる特殊な軍団だ。
だがその力は本物で帝国内でも壱弐を争う精鋭部隊でもある。
隊員は全て実力本位で選ばれ身分は上下様々、副団長のローザなど元海賊である。
それは元々フェリシアが"身分が云々"と言う話を大嫌いだったからだ。
だがエリスの騎士団は余りにも名声が高く貴族は挙って自分の娘を志願させ、その所為か御嬢様気分の抜けない娘も多かった。
だから代りに規律は非常に厳しい物に成っている。
比較的風紀に関して寛大だが、その反面、軍規・命令違反・民間への暴力や強請タカリ・そして汚職などは決して赦されない。
王族、貴族や良家の子女といえ例外は無かった。
事実、名門貴族の娘である隊員が平民出身の同僚を差別し陰で虐めてた事が発覚し此処で鞭打ちに処せられたり、隊員が街でぶつかった市民から金品を巻き上げた罪で全裸にされ散々恥かしい目に遭わされた。
更に副長ローザすら功に焦り作戦を誤った為、「鞭打ち200回」の刑に処せられフェリシアに泣きながら許しを乞った事が有った。
此処で例外は一切無いのだ。
さて、等のエリスと言えば今までドームで裁かれた事が無い。
元来、生真面目で不正嫌いだったので部下の弁護や、やも得ず部下に懲罰を課す時意外は来る事すら無かったのだ。
エリスは処刑人に促され鞭打ち台の上に登った。
両足に足枷を架けられ四つん這いにされる。
身体を前に倒すと丈の短いスカートから双臀が剥き出しになり冷たい空気がお尻を撫でる。
それだけで十分恥かしかった。
やがて木製の首、手首枷を柱に固定されエリスは完全に拘束される。
まるで後から自分のお尻を皆に凝視されている様な気分だった。
事実エリスは非常にスタイルが良く、常日頃から武道に励んでいるので、身体は非常に引き締まっていた。
よくローザに「お尻は少年の様だが良い形をしている」と、からかわれる程でエリスの背後の士官達はエリスのお尻から眼が離せない。
やがて目の前の扉が開き皇帝フェリシアが現れた。
皇帝フェリシアはエリスに比べれば何歳か若く身長も頭一つ分低かった。
だが少女のような顔と普段の無邪気な言動からは想像出来ない程、威厳と気品に満ちている。
また怒ると周りの者が平伏せずに居られない程の威圧感を放ち圧倒する。
フェリシアは今、顔が穏やかだが非常に怒っているのがエリスにも肌で感じられる程だった。
「エリス、先の戦いでは御苦労様でした。」
労いの言葉にも怒りが篭もっている。
「でも、その顔では何故其処に連れられたか分って無い見たいですね?」
エリスは堪らず口を開いた。
「恐れながら、陛下に伺いたい事が!何故、私が罰せられるのですか?罪が有るなら潔く罰をお受けします。でも私には心当たりが・・・・・・・・」
フェリシアはエリスの言葉を遮った。
「何も心当たりが無いと?」
「勿論です。」
エリスは即答する。だが、この時初めてフェリシアの顔に怒りの表情が浮かんだ。
「分らない事、それ事態が罪なのです。」
そう言って右手を横に凪ッた。
鞭打ち開始の合図である。後で処刑人が鞭を振りかぶる気配がした。
「お・・・お待ち下さい。それは一体・・・・・」
フェリシアの手が縦に振り下ろされる。
風を切って鞭がエリスのヒップに炸裂した。
ヒュッ、バチーーーンッ、ヒュッ、ビシーーーツッ、ヒュウ、ベチーーーンッ・・・・・・・
左右に立った処刑人達は交互に鞭を叩き込んだ。
堪らずエリスは訴えた。
「キャアーーーッ、は・・・話を聞いて・・・・!ヒィ痛い、イターーーッ。アァーーーーーッ」
エリスの悲鳴が響き、鞭の音が轟いた。
「陛下・・・お願いです。話を・・・!ギャーーーッ、ヒッ、ヒィィィィーーーッ!」
次から次へと鞭が降り注いだ。
「何故・・・何故なのですか・・・・・・」
エリスは涙で霞んだ愛しい恋人を見た。
だが愛しい筈の恋人は右手を高く掲げる。
「もっと強く叩け!」と言う合図だった。
途端に痛みが倍増する。
「そんな・・・アァーーーッ、ヒィーーーッ、お・・・お許し下さいっ。後生です陛下っアアーーーッ!」
屈強な女戦士であったローザさえ三十も叩かれれば泣いて許しを乞ったのだ。
どちらかと言えば細身のエリスに悲鳴を我慢する事は無理だった。
散々鞭打たれ、涙で顔がグシャグシャに為ると、ようやく鞭は止まった。
今や冷酷な支配者となったフェリシアが玉座から下りて来る。
荒く息を吐くエリスの髪の毛を掴んで顔を上げさせた。
エリスは眼に涙を一杯に溜めて、質問した。
「陛下、何故・・・・・・・・」
だが、この質問がフェリシアの怒りに油を注ぐ。
「エリス!昔、貴女に余りに酷いから止める様に言われ今日まで執行を取り止めていた"マンイーターの刑"を再開し貴女に執行します。覚悟なさい!」
エリスはそれを聞いて背筋が凍り付いた。
涙を千切って許しを乞う。
「陛下、お願いです!それだけは、それだけはどうか御赦し下さい。他の罰なら何でも我慢します。だから、だから"マンイーター"だけは堪忍して下さい。お願いです!」
エリスは泣叫んで懇願する。
だが後から台車に乗せられた何かがユックリ近づいて来る気配を感じ息を飲んだ。
続く
"マンイーター"は、この大陸に生息する植物だった。
その名が示す通り人間を捕えて捕食する。
だが捕食された被害者が死んだ事は無かった。
マンイーターは捕えた生物の分泌する体液や排泄物を捕食するのだ。
見た目は切り株に残った枝が花を咲かせている様な形だが獲物を見付けると、触手状の根で素早く獲物を捕え尿道や肛門、時には性器にまで触手を送り込んで獲物の愛液や排泄物を吸入する。
昨年までは餓えさせたマンイーターを人前で罪人に嗾ける屈辱刑が有ったが「幾等何でも非人道的過ぎます!」とエリスが言上した為、それから行われて無かった。
だから"マンイーター"が残っていたら限界まで餓えている筈である。
エリスは後から近づく台車の音に恐怖した。
その上は鉄格子に囲まれた檻にマンイーターが入っている筈である。
「陛下、お願いですから勘弁して下さい。一体、私が何をしたと言うのですか?」
その質問はフェリシアを更に怒らせる。
フェリシアは処刑人に目配せした。
ガシャーンと音を立て冷たい鉄格子がエリスのヒップに押し当てられた。
途端に触手がエリスのヒップを撫で上げる。
エリスは半狂乱に成って叫んだ。
「陛下っ、陛下ァーーーッ。お願いです。どうか、どうか御容赦を、哀れなエリスに御情を・・・!!キヒィーーーーー!」
エリスの性器と肛門に太い触手が潜り込んだ。
フェリシアは恋人の嬌態を眺めながら、声をかけた。
「エリス、マンイーターの御味は如何かしら?マンイーターは先ず獲物の排泄器官に触手を差し込むと・・・・・」
ボコボコッと音がしてアヌスに入った触手が膨れ上がった。
エリスは堪らず悲鳴を上げる。
「そうそう、そうやって折角の肥料を漏らさない様にお尻の穴を塞いじゃうの。そして獲物から肥料を吸い易い様にする為、樹液をお尻に流し込むのよ!」
途端にエリスのお尻に熱い液体が流れ込んだ。植物の樹液とは思えない程、熱い液体は酢の様にエリスを責め立てる。
「ア・・・アッツーーーイッ。痛い、イタイーーーッ、陛下お尻が痛いです。凄く凍みるんです。抜いて、お願いしますから抜いて下さいっ!」
フェリシアは笑いながらエリスの頭を撫でるとキッとキツイ表情に成って言った。
「駄目よ。今抜いたら汚い物が撒き散らされちゃう。エリスの汚い物が全部溶ければマンイーターが吸い取って綺麗にしてくれるワ。いつもエリスは出陣する度に便秘に成るでしょ、丁度良いじゃない?綺麗に溶かされるまで一時間って所かしら?」
エリスは涙を流して哀願した。
「そんな・・・そんなに我慢しろと仰るのですか?何故・・・何故そんなに怒って居られるのです?せめて・・・せめてその訳を・・・・・」
フェリスはそれを聞くと更にキツイ形相になって処刑人から鞭を奪うとエリスのお尻を打ち始めた。
「私の気持ちを考えて無いからです。だから私が怒っているわけも解ってくれないんだワ。どんなに私が怒ってるか・・・反省なさいっ!」
そう言ってエリスのお尻を打ち続けた。
一方のエリスは何が何だか解らない。
「ア・・・アウッ、お待ち下さいっ。ヒッ私は何時でも陛下の御心を、キャアッ、アゥゥだ・・・第一に考えてます。本当です・・・・・・・」
それを聞いてもフェリシアの鞭は止まらない。
「それは誤解よっ。エリスは私の考えを誤解してますっ。だから判ってくれないのよっ!」
鞭を叩き付けながらフェリシアは絶叫した。
「エリスっ!貴女の性根を叩き直して上げるっ!覚悟なさいっ!」
鞭を手にエリスを睨むフェリシアは鬼の様に恐ろしかった。
「私の一番大切なモノを奪う所だった罪!ジックリ反省して貰いますっ!」
そう言って、更に鞭を振りかぶった。
続く