ここはアスパーザと言う森の中。
ここには多くの盗賊などが、住みついているというので有名な森である。
誰も好んで近寄らない森の中に少女は知っているのか、知らないのか盗賊の一味だと思われる怪しい男の跡を追いかけていた。
彼女の名前はフォーヌという。
まだまだ剣士としては半人前のフォーヌだが、自分の力をよく分かっていないのか、よく無茶な行動に出ることでこちらもよく有名である。
そんな彼女は森の奥へと足を踏み入れたことはこれが初めてではない。
時々盗賊のアジトを見つけようと’探検’に出かけている。
もうすぐ夕方になるので引き返さないといけないのだが、彼女はそれに一向に気付かず、無我夢中で男の後を追いかけていた。
彼女はそのため’遅刻’の常習犯になっていた。つまり――
カーン…カーン…カーン…
遠くからかすかに町の中心にある教会の鐘の音が聞こえる。
(あっ…もうすぐ門限だ…)
彼女が行った通り、この近くにある「ゲイルーラ」と言う町は、アスパーザの森の近くにあるため門限と言うものが決まっていて、それを過ぎると門が閉められ、中に入れなくなるのだ。
その門を閉めるのを知らせる教会の鐘は2回、次が3回、最後が4回と鳴り、その後本当に門を閉める時に一番大きい鐘を5回鳴らす。
分かった人も多いだろうが、こんなことをたびたびやっていたりしているので、外に出たら半分は門限以内に帰って来ない。
つまりほとんど町の外で5回なる鐘の音を聞いているわけである。
しかし、町のみんなはそのことをほとんど知らない。
それは彼女がひそかに作った’あるもの’によって彼女は町へと帰れるのだ。
ちなみに言っておくが、彼女は魔法は上手く使えていないので、空を飛んだり、瞬間移動をしたりは、できない。
無論、町には魔法を通さない結界があるので、使えても入れないのだが…。
しかし今日はフォーヌの誕生日でもあるのだ。
こんな日にはさすがに遅刻の常習犯でも、帰ろうと思ったのだろう。
「…帰ろうかな…」
フォーヌは森へと入ってから始めて口を開いた。
山賊のアジトはどこだか知りたいが、なんと行っても年に1回しかないおめでたい行事なのだから、パーティーに遅れるわけにはいかない。
フォーヌは今まできた道へ戻ろうと後ろを向いた。
ピューーーーッ! ピューーーーッ!
「?!」
フォーヌは反射的に近くの藪へと身を隠した。
ピューーーッ! ピューーーッ!
何度も繰り返される口笛のような音。
これは狩人の口笛としてはちょっと汚いし、こんな時には狩人はこの町には来ないし、たとえ来ても何も狩るものがない。
この森は小動物ばかりが住んでいて、大きい動物はなぜか少ないのだ。
町の人はそれは盗賊が住みついていることの証拠だと言っていた。
しばらくして何も聞こえなると藪の中に隠れていたフォーヌは、藪の中でのとげの攻撃に耐えかねてそおっと藪から出てきた。
「…誰もいないかな…」
刺されたところをさすりながら、周りを見渡した。
そして周りに何もいないと確認すると、低い姿勢で元来た道へと戻ろうとした。
「!!」
フォーヌの心臓は飛び上がった。
いつの間にいたのだろうか。
白い仮面を被った人影が道を塞いでいた。
「……」
彼らは唯一空洞になっている目の穴から、少女を凝視した。
フォーヌはまるで石像になったかのように、その場から動けなかった。
(気付かれたか…!)
彼女は急いで回りに逃げ道がないか探した。
「な、なんなの…あなた達は…」
フォーヌの声は恐怖のために少し震えていた。
「………」
相変わらず無言の仮面。ただ少女の姿を捉えている…。
ガサッ……
「ヒィ…!」
無気味になった彼女は、そう動物が立てる、少しの物音で驚いただけだった。
(やばい…このままだと…)
急いで左右を確認した。
「用がないんだったら、かえらせてもらぅ……」
最後のほうになる程声が小さくなっていった。
(後ろに行くと、あの男がいるかもしれないし…かといって正面突破は無理だし…あとは左右しか…)
カーン…カーン…カーン…カーン…
とうとう鐘が4回鳴った。全速力で行ってやっと間に合うくらいである。
(…この際どっちでもいいわ…右ね!)
彼女はいきなり右へ駆け出した。
地面が凸凹しているのに、彼女は滑るように走った。。
彼女の得意分野のひとつは走ることである。
本当に長距離も、短距離も素早く、町じゅうの男と比べても早い。
案の定、仮面のやつらは来なかった。
「ハァ、ハァ、ハァ…」
彼女は滝の近くに来ていた。
そこは大きい岩がごろごろしていたので、その岩陰に隠れていた。
岩が組み合わさって、小さな洞窟のようになっているところに隠れたから、大丈夫だろう。
彼女はその安心感からか、うとうととしていた。
近くには仮面を被った人影が、その近くを探し回っていた…。
「………!!」
岩陰でうとうとしていた彼女は、何かの物音で目が覚めた。
(あいつらがいる…)
滝の裏へと仮面を被った人が向かっていたのを見て彼女は心の中で思った。
(なる程…滝壷に洞窟かな?…もしかしてそこがアジトなのかも…)
良くあるアジトのパターンのようだが、滝の裏にある洞窟に仮面の男入っていくところだった。
ゴーン!!…ゴーン!!…ゴーン!!…ゴーン!!…ゴーン!!…
「ヒィ!…」
彼女はいきなり鳴った鐘の音に思わず小さな叫び声を漏らしてしまった。
急いで口を塞いだが、仮面は振り返えり、周りを見渡した。
(もしかして、気付かれたんじゃあ…)
滝の音が彼女の声を上手く消してくれたならいいのだが、もにここで逃げないと、見つかった時に逃げきれるとは思えない。
しかし、滝といってもあまり勢いがないので、音は大きくない。
彼女はここで逃げるか、それともここで隠れているか一瞬迷った。
思うよりも早く、彼女は元来た道の方向だと思われる方向へと走っていった。
とうとう門限の時間だ。あの‘例の道’を使って早く帰らないと…。
みんなが心配する…と彼女はあせっていた。
ピューッ! ピューーーッ!!
口笛がまた鳴り響いた、やはり彼らの連絡をとるために口笛が使われていたのだと言うことが分かった。
後ろをちょっと振り返ってみると、仮面のやつらが、続々と出てきた。
しかし彼女の足は速い。
ぐんぐんとスピードとつける。
フォーヌは、山小屋があるところの方向へと走り出した。
彼女はそこに人がいることを期待しているのではない。
むしろ誰もいないことを願っているのだ。
なぜかはそのうち分かる。
あせらないで読み進めていただきたい。
ガサガサガサガサ!!
周りの草むらや、上が騒がしくなった。
どうやら上を飛んでいるものもいるようだ。
もしかしてと思ったら上から人影が飛び降りてきた。
しかしさすがの彼女。
剣士の見習いであるフォーヌは剣を上手く使って着地点を脇にそらした。
その隙に自慢の足で、追い抜いていく。
仮面のやつらは油断をしたのか、彼女を見くびっていたらしい。
仮面の男がまた構えた時には、彼女は遠くへと走っていっていた。
もちろん魔法を使えばすぐに捕まえられるのに…なぜやんないのかと一瞬思ったが、今は走り逃げることだけに集中することにした。
何度こけそうになったか分からないが、やっとあの隠れていた藪の前を通り過ぎた。
もうそろそろ足も限界になってきている。
枝や茨の鶴などで服は所々破れ、さらに血がにじんでいるところも合った。
あまりにも無情に(といっても、普通の気には感情はあるとは思えないが…)枝を伸ばしていた木に悪態をついた。
獣道といっても、あまりいい道ではなかったのだ。
(あともう少しだ…)
だんだんと足がもつれてくる。
フラフラになった彼女を森の木々は容赦なく彼女に襲い掛かってくる。
ガサガサガサガサ!…
もはや自分の足音なのか、敵がきているのか、それとも動物が立てた足音なのかもう彼女には分からなくなった。
彼女は自分が覚えている通りに道無き道を走っていった。
「ハァ…ハァ、ハァ…ハァ…」
もうこれ以上は知れないというところまできたとき、そうこうするうちに彼女は山小屋を見つけた。
さすが、この森の常連である。
足が山小屋の位置を覚えている。
彼女はその山小屋へとこれまたスムーズに入っていった。
すぐにつっかえ棒をして、窓を見て仮面の姿が見えないか見た。
「…よし。撒いたかな?…」
彼女はそう確認すると暖炉へと歩み寄った。
勘のいい人は分かるかもしれないが、ここには俗に言う回転扉があるのだ。
前に書いたが、彼女が遅刻を知らされずに過ごして来れたのはこのためである。
ここから町のあるところまでつながっているのだ。
誰がこれを作ったのかは分からないが、ここ1年か前に彼女が見つけた、そしてずっと使っていたわけなのだ。
いつものように体を暖炉の壁に押し付ける。
すると音もなく回転し、彼女の姿はいなくなった。
続く
彼女は暗い中でしばらく聞き耳を立てていた。
まだ肩で息をしながら、焦げ臭く、黴臭い臭い空気に含まれる酸素を体に補給した。
…徐々に心拍数も落ち着いて生きた頃、彼女は短く呪文を唱えた。
ピカァン!
「うわぁっ!」
あまりにも強い光が暖炉の裏の洞窟を照らし出した。
魔力の制御があまりできない彼女はこんなところでよく分かる。
小さい光の玉を出して、足元を照らしていこうと考えていたのだが、これでは洞窟全体が光っているようだ。
これでは外の仮面のやつらに気付かれてしまうかもしれない。
いつもならたいまつを持ってくるのだが、あいにく置きがない。
今日に限って持ってくるのを忘れたのである。
光の玉を出しても、町に入る頃になると、効力がなくなってしまう。
暗いのは彼女は怖いもののひとつである。
しかし、今日はしょうがない。
フォーヌは、ため息をついた。
早く帰って、パーティーに出席しなければ…。
きっとかんかんに師匠が怒っているだろうから…。
彼女は早速洞窟を進みだした。
洞窟の中では、彼女の足音と息が、こだまして低い恐ろしげな音になる。
彼女の歩調が心なしか早くなっていた。
魔法の効力も切れてきたのか少しずつ暗くなり始めた。
「!!」
いきなり回りを照らしてくれた光が無くなった。
一瞬にして真っ暗になる。
しかしすぐに明るくなった。
「!!!??」
そこにはあの仮面のやつらがいた。
今度は彼女を取り囲むようにしていた。
仮面の奥から、忍び笑いがこぼれたような気がした。
「…な、なによ…どうする、つ、つもりなのよ!!」
彼女の声は洞窟の中に反響する。
「………君は、私達のアジトを見つけてしまったのでね…」
と初めて仮面の人は口をきいた。
「…それを他の人に言われては困るんだよ…」
と違う人が言う。
どうやら口調がら考えると男の人らしい事がわかったが、それがわかってもしょうがない。
彼女は逃げ道を探すように見渡しながら言った。
「あなた達は…何者なの?…まさか、盗賊?…」
「いやいや違うな…」とまた違う仮面が言った。
「君達はそう思っているらしいけれども――私たちはある宗教団体でね――」
「ってことは、その神だかなんだか知らないけど、そいつのありがた~いお言葉で、世界を救うとか何とかいってるウッ!」
バシッ!
仮面の男は彼女を拳で殴った。
「口のきき方を、気を付けるんだな…。私達の全能なる神様がお怒りになられたらどうするのだ!」と仮面の男は口調を荒げて言った。
「私達の神は全知全能であり、この世界の穢れを取り除ける唯一の――」
フォーヌはその仮面を睨みながら彼が言い終わる前に言った。
「そんなの、子供なんかに分かるわけ無いでしょ!帰してよ!そんなのしゃべったって子供が言う言葉だから信用してくれないだろうし――」
バシッ! ボゴッ!
彼女はまた殴られ、蹴り倒された。
彼女は体が痺れてきているのに、怒りと恐怖のために感じていなかった。
「黙れ黙れ!!」
仮面の男は倒れた彼女を足で踏んだ。
「何度も言わせるんじゃない。…まぁ、じきに君も分かるだろう…どれだけ素晴らしいものかが…」
彼女は仮面の男に足で抑えられ、さらに仮面の男が彼女を凝視していたため、身動きひとつ取れなかった。
フォーヌは仮面の奥に潜むぎらついた眼は何を意味しているのかわからなかった。
(あぁ…もう町には帰れないのかなぁ…)
彼女はただ逃げ道を必死で探そうとした。
その時、彼女に猿轡がはめられた。
「うぐぐぐぐっ!!」
フォーヌはあまりに突然なことだったので、防げなかった。
暴れて、何とか抵抗しようとしていたフォーヌだが、首筋に一瞬鋭い痛みが走ったかと思うと、意識が無くなっていった。
ぐったりとした彼女を麻布の中へと軽々と入れると仮面の男達は素早く呪文を唱えた。
するとまた一瞬周りが暗くなり、また明るくなることには彼女も仮面の男達も姿を消した。
さらに少しすると、フォーヌの魔法が切れたのか、真っ暗になった。
続く
(ここは……)
彼女は気を失っていたようだった。
むっくりと起き上がろうとしたが、体が痺れて動かない。
どうやら束縛の術をかけられているようだった。
それか、薬を飲まされたか……。
あいにく彼女はそのような高度な魔法は使うことができず、またその魔法を使うことができなければ、魔法を解くのはできたいと言うのは基本中の基本として最初に教えられることであり、彼女はそれは覚えているらしく、無駄な魔力の消費はしなかった。
さらに、薬の知識はあまり無いし、薬草がこんなところにあるとも思えない。
(まずはここから逃げ出さないと…)
しかし、束縛の術がかかっているいじょう、逃げることは不可能だった。
彼女はまずこの部屋の様子を観察した。
そこにはドアや、窓というものが見当たらなかった。
ただ周りの壁にはろうそくが、たくさん並んでいた。
それに彼女の後ろには暖炉が見えた。
しかし、空気穴が無いように見える。
やはりここには魔法がかけられているようだった。
ろうそくや暖炉の光のちらつきが少ないところからも分かる。
しかし、どうやってここへとつれてこられたのか…やはり、魔法でしかこの部屋には行き来できないのだろうか…。
ブルブル…
彼女は部屋を見渡して、身震いした。
(と言っても、体は動かせなかったが…)
いくらろうそくや、暖炉の光があっても、薄暗い部屋であった。
その中にいるのは、前にも話したと思うが、彼女にとって恐怖以外の何者でもない。
ガチャ…
彼女がいろいろなことを考えていると、いきなり壁の一部がドアのように開いた。
この部屋は入り口が、壁の一部と一体化しているようだった。
彼女はそこを覚えておこうとしたが、あまりにも目立たないところなので、最後まで覚えていることは無理そうだった。
そこから出てきたのはあの仮面を被った男だった。
しかし、彼の感じが少し違っていた。
たとえて言うなら、野生動物のような…。
白いローブを被ったかれの仮面は、前に彼女を追いかけていた時とは少し違うような気がした。
それは明らかに儀式で使いそうな仮面だった。
白っぽい仮面の模様は、黒い1つの眼が大きく描かれ、その周りに三角形の眼のまつげに見えるが、そのようなものが上に3つある。
しかも、目の除き穴が無い…。
彼は魔法でわざわざ見ているのだろうか?
さらに本当は真っ白だったのかもしれないが、ちょっとしみが目立つ。
しっかりと綺麗にしていないからであろうか…。
…いや、それとも…。
バタン…
彼女は扉が閉まる音で我に返った。
すでに仮面の男は彼女のすぐ近くへと来ていた。
彼女はまだ身動きが取れないのを、残念に思った。
(出来れば足払いをかけてあげるのに…)
「…これから、聖なる儀式を始めて君を私達の仲間にしてあげよう…楽しみだ」
「フググウ!!」
彼女は猿轡を着けられたままなので、うまく喋れない。
しかし口などは動くらしい…事は彼女にも分かったようだ。
「すまないね…苦しかっただろう。…でもすぐに楽になるからな…身を任せれば楽に――」
「グギギイイッ!!!」
仮面の男の腕を見て彼女は悲鳴をあげた。
仮面の男は驚いて、周りを見回した。
「――…人の話している時に…口出ししてはいけないと、言われなかったのか?…」
フォーヌの目線が、自分の手にきているのを見て、仮面は言った。
「……あぁ…これかね?」
仮面の男は手を彼女の目の前に見せつけた。
「これは、『悪魔の爪』と言うものだが…君はしらないのか?…まぁ、怖そうなものだとは分かったようだがな…」
「グイイイ!」
彼女は恐怖のあまり、涙が零れ落ちた。
「…まぁ、この爪には毒腺があるのだが、君はあの時抵抗していたから、早速使わせてもらったよ…おそらくまだその効果が残っているだろうがな…」
魔法では無くて、その毒によって、体が動かなくなっていたのだ。
彼女は潤んだ目で、もう一度仮面の手を見た。
(悪魔の……爪?)
続く
(悪魔の……爪?)
確かに聞いたことはあったが、それを見たことは始めてであった。
一瞬見えたのは、死人のような感じであったと見えた。
彼女は死人が一番気持ち悪く、且つ嫌いなもので、それを見るなら暗闇にいるほうがいいといっていたほどだ。
昔、彼女が小さい頃に、家の近くで小動物の死体が転がっていたのを見た彼女は、もの凄い悲鳴をあげたかと思うと失神してしまった。
今では失神するほどではないが、今のようにもの凄い悲鳴をあげ、逃げることがたびたびだった。
死体が嫌いなら剣士になるなと師匠に言われたことはあるが、彼女はそれを克服するといって、何とか見習を続けた。
あの森にたびたび出かけたのは、その死体を見ると言うことに慣れておこうとしたのもあったのだが…。
やはり、嫌いなものは嫌いのままである、
さらに暗い中で見たので、怖さ倍増である。
死人の手ではないと言われても、体の震えは止まらない。(もちろん体は動かないが)
「――君は怖がりだな…そういう子は私は大好きだよ――」
男は彼女の顔へと手をのばした。
「フグググ!…」
彼女は体が動かないため、口で『やめて』と言ったのだが、仮面はそのまま首の後ろに手を伸ばしていった。
猿轡が取れた彼女は『悪魔の爪』と言われたものを凝視していた。
ぽたぽたと毒腺から出ていると思ったのだが、出ていない。
何か攻撃した時などに出るようになっているのだろうと思った。
「君はこれから私を『マスター』と呼ぶんだ。いいね――」彼女の口の猿轡をとった。
「だ、誰が、あな、たの手先になるも――」
パシッ!
彼女の頬が切れて、紅い液体が少し出てきた。
仮面の男は、彼女をあの爪を着けたまま殴ったようだ。
彼女は爪の鋭さにまた悲鳴をあげた。
(このままじゃ殺される…)
フォーヌはもう殺されると思ったらしかったが、仮面の男にはそのような考えは無かった。
「な、なります……」彼女はか細い声で言った。
「何だって?……今君は――」
「……あなたの仲間に入ります……」
「?……」
「だから、町に帰して…」
彼女は涙声で、言っていた。
「…ははぁ…さてはもう怖気づいたらしいな…しかし、君のいた町は『清められた』から、行ってもしょうがないのではないのかな?」
「何ですって?」
彼女は涙ぐんだ声で言った。
「それって、どういうこと……まさか…町を焼いたっていうこと?」
「まぁ、君達の言い方だとそうかもしれないが――」
「ひどいわ!あなたは、そんなことをやって、ただで済むと思うの?!これは犯罪よ!分かっているの――」
パシンッ!
前にやったほうとは反対のほうを殴った。
また爪の鋭さで彼女の頬は切れ、血が出た。
彼女の体の麻痺の度合いが強くなって来ていることは、また怒りと恐怖とで気付く事は無かった。
「マスターだ。もう忘れたのか?君にはもう逃げ場は無いのだよ…おとなしくしていなさい。私が本気でくればあなたなんて簡単に倒せますからね…」
仮面の男の、まるで幼い子供をなだめるかのようにやさしげな口調が、彼女には気にくわなかった。
「あなたって最低よ!町の人々も、もしかして――」
「神の生贄にささげられたよ…もちろん全員――」
「馬鹿!」
彼女は息を吸った。
「馬鹿馬鹿バカ――!本当にあなたって人は、悪魔そのものよ!なにが面白くて罪の無い人たちを――」
パチンッ!
仮面の男は指を軽く鳴らした。
「――あなた達は本当に……なんだから!だって……―……――」
彼女は話すのを突然止めた。仮面の男のほうを見る。
(なんで…声が出ないの?…これも魔法なのかしら……)
たぶんその魔法は、黒魔法のほうであるので、彼女はもちろん使えないし、解くことも出来ない。
彼女はおびえた目を仮面の男に向けた。
「君は喋りすぎだ。…儀式の妨げになる。せっかくの聖なる儀式がな……」
「なんなのその儀式って…まさか―……――」
「何とでも言えばいい…しかし、少なからず私の’正しい’名前を覚えてもらいたいね」
仮面の男はそれだけ言うと、彼女の体を服の上からさすりだした。
「(な、……ちょっ・・・あっ!)」
「おっ、君はこんなことされるの初めてかな?」
「(やめて、ちょ…この変態!!)」
仮面から聞こえてくる息遣いが荒くなってきた。
「…綺麗なラインだ…アソコはどうなっているんだ?」
「(ちょ、本当に――)」
「ん?まだ濡れていないのかな?」
パチン!
また呪文をかけたようだ。すると、下腹部が、涼しくなった。
続く
「(まさか!…)」
「よし、これで君のアソコを拝見できるな…」
「(-私の下着が――……)」
呪文は彼女のパンティーを無くしてしまったようだ。
これでは彼女の秘部が丸見えである。
男は彼女の抵抗もあえなく、下腹部にいつのまにかはいていたローブの中に入っていった。
彼女はいつもは動きにくいからとあまりはかないのだが…もしかして、仮面たちがそんなことを…。
ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……
スカートの中から荒い息遣いが聞こえ、息が太ももに当たる。
彼女は身震いした。(しかし、体は依然として動かなかったが…。)
「…君の穴からは、まだ何も出てきていないようだな…」
仮面の男はなおも見ているようだ。
(そんな…物心ついてから、親にも見せたことの無いところを、こんな男に……)
スリスリスリスリ…
「(…あっ!)」
仮面の男はフォーヌのマンコを弄り始めた。
爪の鋭い感触に、彼女は何かを感じてしまった。下半身の痺れが徐々に強くなっていく。
(うそ…もしかして今は麻痺の毒じゃ無いような…)
「どうだ?気持ちいいだろ?…ん?どうなんだ?」
(あぁ、なんであんな爪に触られているのに…)
「(くっ……)」
「かわいい声で鳴いてみろ…ほら」
パチン!
少し魔力が弱まった気がした。
クリトリスを少し爪が弾いた。
「がはっ!!」
「んんっ・・・いい感度じゃないか…フォーヌ?」
クチュ…ヌチヌチ・・・
「そんなハッ!何で私の名前を…」
フォーヌは必死で言う。
まだ言いにくそうだ。
「そんなことはどうでもいいじゃないか…それよりもこちらの作業に集中させてくれ…それじゃぁ、いくぞ――」
「あっ、なに?――アアアァァァガ!!」
仮面をいきなり秘部になすりつけてきた。
仮面の表面はツルツルしているように見えたのだが、彼女の体の快感のポイントを上手く責めてきた。
「いっやぁぁぁぁっ!」
フォーヌは動かない体を必死で動かそうとした。
ベチョ、ヌチョ、グチョグチョ…
仮面の男は外に出てきた。
仮面には彼女から出た液が,こびり付いている。
「私の仮面も喜んでいるぞ。処女の愛液をもらえて…」
ヌラヌラと濡れ光る仮面には相変わらず目の穴が無かった。
もちろん刺激する突起物も無い…。
「……」
「声をまた与えてあげたんだ。少しは喋ったらどうだ?」
「なによ、この………」
「何だって?」
わざとらしく聞き返してくる。
「だから、この……――…」
「しっかりと魔法が効いているようだね…。それでも君は現役の剣士かい?」
「…―私は長年やっているから…―…」
「それならこうも簡単に魔法にかかるはずが無いんだが…もしや、君は見習かな?」
「――!あなたに言われる……」
仮面の男はこうも上手く行くと機嫌がいいみたいで、嬉しそうに笑った。
「もっと言葉遣いをよくしてくれないと、どうも君の声は聞こえないがな…」
「…こんなことをして、私になにをするき!」
「もう分かっているんだろう?」
太ももをまた悪魔の爪がさする。
「あっ…ちょっと――」
「まぁ、そのうちに君も私達の仲間に入りたくなるに違いない…時間の問題だからな……」
スリスリスリスリ…
だんだんと股をさする手が、アソコの近づいてくる。
ローブに目を移した彼女は、目を大きく見開いた。
ローブに大きくは無いが、丸いしみが出来上がっていた。
「ほら、君の愛液がこっちまで…」
仮面の男はそれを彼女に見せるように、持ち上げた。
そこはろうそくの光を受けて、ヌラヌラと光っている。
「まさか…そんな、私…」
「君の穴はもうよくなったかな?」
仮面はまたローブの中に入っていった。
暴れたくても体がまだ痺れていて思うように動かない。
「…おっ、ここまた――」
クチュクチュ…
「クハッ!…イッ…」
必死で声を押し殺すフォーヌ。
「…もうそろそろ、儀式の方へと入っていこうか…君もよがっていることだし…」
「そ、そんなこと…私、感じてなんかアァッ!――」
「何を言っているんだ。体はちゃんと正直に反応しているではないか…」
ベチョ、ヌチチ…
また仮面を擦り付けながら言う。
「これから聖なる儀式を始める」
グチョリグチョリ……
仮面は愛液でグチョグチョに濡れていた。
続く
「フウウウンッ!」
彼女は先ほどから始まった、仮面の行為に何の抵抗も無く、やらされていた。
フォーヌの愛液でベチョベチョになったローブは、悪魔の爪の攻撃により、ずたずたになっていた。
いきなり仮面の男は、愛液まみれの悪魔の爪を口に含ませようとした。
「な、何するの!」
彼女の唇の上で、悪魔の爪がヒクヒクと動いていた。
これだけでも彼女の恐怖心を引き出すのに十分だった。
やはり魔物の骨で出来ている武器は、彼女には苦手のようだ。
彼女の口の周りを執拗に攻める。
「君がどんなことをしても、すぐに降参するのだから……」
仮面の男は彼女の鼻をつまんできた。
彼女は息苦しくなってきた。
目の前にはいまだに爪が待ち構えている…。
「ンンンンッ!」
ついに彼女は耐え切れなくなって、息をするために少し唇を開けた。
すると、人差し’爪’が口の中に進入してきた。
「フグググッ!」
突然の進入に、なすすべも無く、第二関節ほどまで、入っていった。
「ほら、この爪を’綺麗’にしてみなさい…君の舌でね…」
「フギュッ!!」
彼女は必死で首を横に振る。
「私の爪がなめられないと言うなら――」
彼は彼女の口の中で、爪を暴れさせた。
「フグッ、グゴゴゴゴ!!」
彼女の口の中で、悪魔の爪はいろいろなところに攻撃を加えていた。
普通の動物の骨をしゃぶった時とは違う味がした。
――フォーヌは骨をしゃぶったことはあるのかと疑問をもつものがいるかもしれない。
フォーヌは実際調理してある肉(これもある意味死体だが…)は何とか大丈夫のようだ。
しかし、食べ終わった後のもの(骨)はすぐに投げ捨ててしまうが…。
しかし生のものを見せると、とたんに飛び上がって逃げたそうだ――
なんだか体に火がつくような官能的な甘い味である。
これは毒液の味なのだろうか?
「フンッ!フグググ!」
(このままだとダメになっちゃう…)
「ほらほら、はやくフェラチオをしなさい…それとも君はフェラチオと言うのが初めてと言うのかな?…潔白の体を犯すと言うのもなかなかいいものだ…」
仮面の男は、空いている手で、胸にある、さくらんぼをつねった。
「フギュウ!!」
彼女の体に、電撃が走る。
「ほら、感じている証拠じゃないか。いやらしい声を出して…もっと正直にならないと…」
爪はなおも彼女の口の中を犯している。
クチュクチュ…
淫猥な水音が、フォーヌの口の中で響く。
(あぁ、神様…)
フォーヌは、いつのまにか悪魔の爪を舌で捕らえていた。
仮面の男はそれに気付くと、爪の動きを止めた。
グチョグチョプチュッ!!
彼はいやらしい音をたてながら、悪魔の爪をなめだした。
爪に媚薬が塗りこまれていたのか、それとも毒液がもたらしたのか、いまや彼女の体は、コントロールが効かなくなってきていた。
「おぉ…やっとやるようになったか。ご褒美に太いのをあげような」
彼女の頭を擦りながら、仮面の男は言った。
絡み付いてくる舌をどかして、外に爪を出した。
ヌプリ…
彼女の唾液が糸を引いていた。
仮面の男はさらに親’爪’を口へと差し出した。
今度はしたが迎えるようにして、待っていた。
クチャ、チュクッ…
今度は大胆に音を立てながら、舌を使い出した。
「おぉ…凄いぞ…爪が官能に酔っている…こっちにも快感が伝わってくるぞ…」
仮面の男はローブを脱ぎ始めた。
ローブを脱ぐと、そこには生まれたばかりの姿となった仮面の男がいた。
ローブの中には何も着ていなかったのだ。
彼女はフェラしながら、そそり立っているものをみた。
「ご褒美にこっちをあげよう…」
「フェニスふぁんふぇ――」
フォーヌはいやいやと首を振った。
「なんだね、私のペニスが不潔だとでも言うのかね?…それに比べたら、悪魔の爪のほうが汚いと思わないかね?不浄のものから取れたもので作られた物を、君は今までフェラしていたんだぞ。分かっているのか?」
仮面の男は奉仕していた下が、動きを止めたのが分かった。
「ほら、奉仕を続けなさい…でないとまた暴れさせますよ」
「フグゥ…」
爪が、のどの奥へと入っていく。
いやいやながらもまたフェラを始める。
ただ、前よりも積極的にはやれなかった。
(悪魔の爪…地獄にいる大悪魔の骨や、外皮…つまり死体から作られた――)
「グゥヴーッ!!」
「どうしたんだね?――」
面白そうにフォーヌを見る。
「爪が良いかね?それとも私のペニスが良いかね?」
続く
(爪はヤダ!ペニスモヤダ!!)
「ほら、しゃぶるか?」
爪をどかして、ペニスを近づける。
「あと、10数える。その間にしゃぶらなければ、爪だ」
首を振ってフォーヌは言った「そんな!私を――」
「いち・・・にぃ…さぁん…」ゆっくりと数を数えだす。
「よぉん…ごぉ…」
目の前に巨大なペニスがある。
一度もそのようなものを凝視すること、まして、しゃぶることなんて、一回もやったことが無い。
「…はぁち…きゅう……」
「…しゃ、しゃぶります…ペニスをくださ――フゴゴ!!!」
いきなりペニスがフォーヌの口の中に入ってきた。
荒い鼻息を吐きながら、どうにかして、ペニスに触らないようにしようと努力した。
しかし、男は腰を振り出し、隅々まで犯していった。
「ンングッ!」
のどまでペニスは到達した。
「おぉ、いい締め付けだ…こんなだと、すぐにいきそうだ…」
フォーヌはその言葉を聞いて、目を見開いた。
「イク」と言うことは1つぐらいしか意味が無い。
それは……
「君に私のスパルマをあげよう…」
フォーヌの髪を触りながらいった。
「しっかりと受け取れっ…私のンッ!」
頭をなでられる感触に、もう精神が限界になりそうだった。
「ほら、舌を使いなさい!…でないと――どんな目にあうか分かっているでしょうね…」
思いついたように、舌を使って奉仕するフォーヌ。
なんとしても口の中でペニスを暴れさせたくない…と言う一心で…。
「おおおっ…いいそ。くはぁ…イイ…」
腰を激しく振ってきた。
まだ体内に残っていた悪魔の爪の毒が、フォーヌの体に理性を失わせようと、襲い掛かってくる。
抵抗をしようとしたが、すぐに精神の壁は打ち砕かれる。
フォーヌはペニスを逃すまいと、巧みに舌を使い出した。
悪魔の爪のせいか、一度理性と言うストッパーがなくなると、悪魔の爪を我を忘れて求めたように、激しくペニスを求める。
「ンッ!ハァァ、クッ!…イッ、イク…」
ペニスがにわかに大きくなる。
「受け止めろ…ヴゴオオオオウッ!!」
仮面の男は野獣のように叫んだ。
ドクン、ドクン、ドクン……!!
フォーヌの口の中に、生臭い液体が、どんどん溜まっていく。
「ほ、ほら…早く飲まないか!」
仮面の男は、のどをそらして、気持ちよがっている。
今なら彼を返り討ちに出来る……。
しかし、それはまだ体が痺れて、動けない彼女には無理なことだった。
もし動けたとしても、彼女は液体のほうに気が回って、それどころではなかっただろう。
フォーヌの口に入りきれなかった量のスパルマがこぼれ、のどを伝って下に落ちていく…。
そんなこと……と思ったが、また理性は姿を隠した。
ゴクッ…ゴクッ…
仮面の男はまた爪を使い、脅さなければ飲まないのかと思っていたが、まさか自分自身で、飲みだすとは、思っても見なかった。
さらにフォーヌはいとおしそうにペニスを舐めてくる。
「おぉ…やっと分かってきてくれたか…」
仮面の男は、またイキそうになるのを堪えた。
しかし……
チューーッ!
「クハアアアァァァッ!!」
フォーヌが残りの精液をおとめて、ペニスを強く吸ったため、また仮面の男はイッてしまった。
スパルマを素直に飲み込んでいく彼女の姿は少し前にはありえないことだった。
仮面の男は彼女の口から、ペニスを抜いた。
「これ以上、口にはできないな……」
肩で息をしながら、仮面の男は行った。
「もう下半身のほうにも入れてあげないとな…」
「すぱるま美味シカッタ…」
フォーヌは悪魔の爪の毒に酔いしれていた。
「よし、まずは、アナルからだ…」
続く
「イギギギヤアァウッ!!」
フォーヌは野獣のような声を出して,悶えた。
グチョ ズブブブッ……
フォーヌが四つん這いになったところで、いきなりペニス入れ込んできたのである。
仮面の男はせっかちなのかもしれない。
「あぁ、すごいぞ…こんなに――」
フォーヌは命令されたわけでもないのに、腰を振り出した。
「アハッ、気持チイイノォ!!」
フォーヌは涎をたらして、軽くイッてしまう。
「またイクぞ、受け取れぇ!
「アアアアァァァッッ!!」
フォーヌは熱いものが体の中を上がっていくのを感じた。
それにしても仮面の男は何度も行っても、まだ精液が残っているのか、ペニスをさらに上下に動かし始める。
疲れ知らずのようである。
「アァッ!苦シイクッ…ハ、ハヤク…イカセッ――」
め付けがきつく、最初はあまり動かせられなかったが、すぐに締め付けが弱くなる。
仮面の男は、ためしに勃起しているクリトリスを強くつねってみた。
「イイガガガガァァァァァァ!!!!!」
一気に熱い液が噴出してくる。
仮面の男はそれを待ち構えるようにして悪魔の爪を受け皿のようにしていたところに溜まっていく。
それをフォーヌの体に塗りつけ始めた。
「ハアァンッ!」
フォーヌはぬるぬるとした感触と、悪魔の爪の感触に、身悶えた。
「オ、オ願イ…」
「ん?なんだ?…」
「イ、入レテ…切ナイッ!」
フォーヌは人生で初めて菊門を他人に見せつけた。
「早クイカセ…」
「しょうがない…最後といくか…」
仮面の男はペニスを、アナルから抜き取ると、彼女を仰向けに押し倒した。
「イヤッ…」
っと、小さく叫ぶ。
そしてフォーヌのマンコめがけて、刺した。
「フグヴアガガァァッ!!!!!!!!」
波紋による痛みは、幸か不幸か彼女の理性を取り戻させた。
処女である証拠に結合部分からは血が流れている。
「ハガッ…やめっ、私の――!!」
「ほらほら、君が望んだことじゃないか…いまさら、抜く気は無いぞ…それに、中はペニスを奥に誘っているし…」
「そ、そんな…」
実際彼女の膣内は、精液を求めて、激しく動いていた。
必死に痛みを堪える彼女だったが、仮面の男は、おくまでひとまず入れると、すぐに上下にペニスを動かし始めた。
「アギヒィ!!わ、私のヴァージンをハァ!」
仮面の男の動きに合わせて、彼女も動く。
「正気に戻ったか…やはり、あの痛みでは、みな正気に戻ってしまうのか…あっ…」
行き来するペニスからくる快感にふたりとも言葉が途切れ途切れになる。
彼女の痛みは早くも快感になって彼女を襲っていた。
これも悪魔の爪のせいなのだろうか…。
「さあ、私の‘精’なる液をうけて私の教団に…入るのだよ。そして、私の側近になって…!!」
「アヒイッ!!」
フォーヌは強烈な快感の波に、もうなにがなんだか分からなくなっていた。
「イ、イクッ!私の子供も孕めよオオオオオォォッ!!」
ドビュッ、ドビュッ!!……
フォーヌは十分の膣内の一番奥までペニスが入っていくのを感じた瞬間、スパルマが入っていくのを感じた。
「ギヒィ!私も、イク、イクウウウウウゥゥゥ!!」
フォーヌは、それとどうじにイッてしまった。
ペニスがなおも抜き差しされる。
そのたびに隙間からためられた精液が、出てくる。
「イッ!そ、そんな…あぁぁぁ…」
絶頂を迎えた彼女の体は、今まで以上の快楽を生んで、彼女に襲い掛かる…。
「や、ヤメテ!!そ、そんなアアン!」
「いや、君が妊娠したって言うまでやりつづけるぞ…きみは、完全に私達の信者になったのだから…アプッ!」
彼女の口の中に悪魔の爪が5本――片手すべての爪――が入ってきた。
すぐに悪魔の爪の毒が、彼女を乗っ取っていく。
「フッ…フン、フン!」
彼女の舌使いが、すぐに激しさを増してくる。
「いいぞ…もっと…あぁ、イクぞ…」
彼女の膣内はもう満タンなのに、さらに精液が入っていく。
はちきれそうな彼女の膣内から、ペニスがいったん出てくる。
ヌチョヌチョとした精液が、勢いよくでてくる。
それをさらに彼女の体になすりつける。
もう悪魔の爪は彼女にとって快感を生み出してくれる道具でしかなかった。
もう麻痺は無くなったようで、足を動かしたりするが、もう逃げる気配など無かった。
もう彼女にとってはあの町など、どうでも良かった。
ただ肝心なことは、快楽を求めるだけだった。
「マスタアアアァァァッ!!」
また勢いよく愛液がでてくる。
フォーヌがいつのまにかに〈マスター〉と呼ぶようになったことは、仮面の男には気付かなかった様子だった。
必死で彼女の体に食らいついていたからであろうか…。
「もう一回いくぞおぉ!!」
仮面の男も我を忘れて彼女に襲い掛かる。
彼女はこれ以上ないって程の行為をやらされた数日後、妊娠したことを知らされる。
しかし、彼女は妊娠したことについて、後悔はしていなかった。
ただ、快楽を求めるだけの奴隷と化した彼女にとっては……。
そして、妊娠したとしても彼女は、交わることを止めなかった。
仮面の男が求める限りでは、彼女はただ従った。
今日もなお彼女と仮面の男達とで、饗宴が繰りひろげられる。
終わり